映画「駆込み女と駆出し男」

すばらしい映画だ。原作者井上ひさしらしい諧謔味に溢れているし、役者陣が文句なくいい。特筆すべきは映像美の完璧さだ。江戸期の美意識を描いているように感じた。僕らが喪って久しい「いき」という感性だ。

時代設定は1841年から1843年、水野忠邦の奢侈禁令の前後。戯作者の立場で幕府の政策批判をしているとも解釈できる。もう一度見たい、と思わせる映画だ。 原作の「東慶寺花だより」に登場する複数の女性が同時代人として扱われているという。

文春文庫の解説(井上ひさし)によると、東慶寺が駆込み寺となるのは千姫の娘(徳川家康のひ孫)が第20代の住持になってからだ。相当な資金が東慶寺に提供され、それを元に低所得層向けの金融業も営んでいたそうだ。

明治維新とともにその制度は廃止されたらしいが、旧民法下で女性の地位が高まったわけではない。むしろ低下したようだ。江戸期=封建時代という図式は唯物史観だけでなく、明治政府のプロパガンダだった、と考えるべきなのかもしれない。image

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