非現実的な、あまりに非現実的な韓国ドラマ(3)

ここで、韓国ドラマのプロットを構成する要素と場面設定について、一日本人視聴者の立場で整理してみよう。

プロットをつなぐ要素
  • 衝撃的な事実を知って愕然とし、ショックのあまり呆然と歩く人物が交通事故に遭う。あるいは、好きな女性が夢遊病者のように道路を渡ろうとするのを偶然見かけ、助けようとした男性が交通事故に遭う。
  • 悩み事や怒りに駆られ、猛スピードで運転して事故に遭うこともある。感情の起伏を乱暴な運転で表現する人が多い。
  • 偶然を装った交通事故、事故を装った殺人も多い。交通事故が原因で記憶を失ったり、ぶつかった衝撃で記憶を回復することさえある。
  • 自分の思いどおりにならないとき、怒りを表現するのに身の回りにあるものを投げ飛ばす人が多い。男性はデスクに置かれたファイル・電話機などを手で掃くようにして床に投げつける。女性はサイドボードや鏡の前に置かれた化粧品類を一掃するように投げ散らす。
  • 金銭的なトラブル、借金取りに追われる場面が少なくない。身内に一人は金銭がらみのトラブルを抱える者がいると思われるほどだ。借金を盾に、あるいは返済をめぐり、善悪双方がさまざまな奸計をめぐらす。
  • 裕福な家庭には、必ずといっていいほど、親子あるいは兄弟姉妹の間の対立がある。親や祖父母の介在による政略結婚、それに反抗する子ども(大学生以上の成人だが)という図式が固定化している。相続をめぐるトラブルも少なくない。
  • 権力者や金持ちによる邪魔者の拉致や監禁が多い。実行犯は権力者等に金で雇われて犯行に及ぶから、いわば仕事として行うので罪意識は稀薄だ。白昼堂々の拉致も少なくない。
  • すれ違う登場人物たち: 探している相手が身近なところにいて、すぐ会えそうな場面設定をしておきながら、なかなか会えない、会わせない。同じ場面で愛人や実の親子などが間近にいるのにすれ違う。視聴者をいらつかせるためかとさえ思う。
  • 部屋の外にいてドア越し、または職場の便器に座って、偶々洗面所での話を聞く場面も多い。重要な話、人に聞かれたくない話を不用意に話す人が多い。古典演劇でよく使われる手法だが、あまり多く使われると陳腐である。
  • 重要書類や通帳等を他人に見つかりやすい所に保管し、盗難に遭う。場所はタンスの引出し、クローゼットの奥など。書類は機密書類だったり、土地家屋の登記簿謄本だったり、発見者が探している人物の写真だったりする。ドラマの進行において、立ち聞きと同じ効果を持つ。
  • DNA鑑定による親子関係の確認が頻繁に出てくる。歯ブラシやクシなど検査対象物の差し替えが簡単に行われ、鑑定書が偽造されることも多い。親子関係が疑われる家族内の人間関係と彼らの間の確執がある。
  • 酩酊状態の男性が女性とベッドインし、女性を妊娠させることが多い。男性は記憶していないが、状況証拠を突き付けられて認める。ほかの男性の子であることも多い。
  • 困ったとき、特に恋愛と結婚関係等のもつれから韓国内にいずらくなると、一様にアメリカやヨーロッパに逃亡する。数年後にその外国逃亡者が帰国し、一波乱生じる。
場面設定の類型化
  • 高所得者層の住宅と低所得者層の舞台設定が、それぞれ類型化されていて、ほとんど同じなのも不思議だ。まるで、歌舞伎の大道具のように、どのドラマの設営も類似し、定型化している。
  • 職場(人間関係を浮き彫りにするための道具または背景として利用される): 多くの場合、経営者の御曹子が登場して理不尽な手法で善玉の反対勢力を粛清しようとする。
  • 家庭(大家族から一人暮らしまで単位はさまざま): 富裕層と貧困層が明確に分かれる。二つの階層に属する男女の恋愛の去就が主題になる。
  • 学校(中学・高校・大学など): 恋愛、いじめ、貧富の階層格差、富裕層の子女の親が学校経営に影響を及ぼし、学生・生徒間の対立に介在してくることも少なくない。
  • 病院(個室が多いように思う): 子どもの行動にかっとなって脳溢血などで倒れて入院するか、交通事故に遭遇して担ぎ込まれる場合が多い。死線をさ迷うことも少なくない。
  • 屋台やでバーでの飲酒: 自力でどうすることもできない困難に遭遇したとき、自分の感情をコントロールできないとき、男女ともに深酒をする。バーなどで出会った男女が同室で一夜を過ごし、朝驚くることも多い。
  • 国際空港(出会い、別れ、再会)
  • 外国(米国、ヨーロッパほか)
  • 在来の韓国市場、韓国食堂
  • 遊園地、ハイキング(失踪事件が起こることもある)
  • 幼稚園や保育園(シングルマザーが育てている子どもを富裕層の元夫が拉致することも多い)
  • 孤児院(孤児院にいたことを隠そうとする悪玉、隠さずにまっすぐ生きようとして果たせない善玉)
  • ハンガンの川岸: 恨(ハン)プリ、告白、別れ、拉致、自殺など、さまざまな場面に利用される。
  • 海岸: 恋人の愛情の確認、あるいは幼少期の追憶の場面が多い。
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